こんにちは。
初めての海外旅行や長期間海外へ行くときに気になるのが病気です。海外では環境が違い、日本ではまずかからないような病気の病原菌があったりします。出来るだけ病気にはかかりたくないのは誰もが思うことです。
今回はそれらを回避するための事前の予防接種について書いていきます。
海外旅行で予防接種が必要なワケ
世界の国、特に発展途上国においては日本ではほとんど罹ることのない病気に罹る可能性があります。
例えば狂犬病は数十年日本で発症例がありませんが、海外ではヨーロッパを含むほとんどの国で感染する可能性のある病気の1つです。
このような病気になるのを防ぐため、もしくは治療までの猶予を延ばすために予防接種を受ける必要があります。
しかし全てのありとあらゆる病気に対応するというのも現実的に大変なので、渡航する地域や重要度に応じて判断することになります。
予防接種の種類
予防接種の一覧表(一例)です。
黄熱 | ポリオ | 麻しん | 日本脳炎 | A型肝炎 | B型肝炎 | 狂犬病 | 破傷風 | |
東アジア | ◎ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ||
東南アジア | ◎ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ||
南アジア | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | |
中近東 | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ||
太平洋地域 | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | |||
オセアニア | ◎ | ◎ | ||||||
北アフリカ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ||
中央アフリカ | ● | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | |
南アフリカ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ||
北・西ヨーロッパ | ◎ | ○ | ◎ | |||||
東ヨーロッパ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ||
南ヨーロッパ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | |||
ロシア | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | |||
北米 | ◎ | ○ | ◎ | |||||
中南米 | ● | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ |
●:黄熱に感染するリスクがある地域
◎:予防接種をおすすめしています
〇:局地的な発生があるなど、リスクがある場合に接種を検討してください
参考:厚生労働省
地域が大きく分けられていますが、国によっては罹る可能性がほとんどない場所もあったりします。その逆もあります。
どの種類の予防接種を受ければよいか?
受けることができる予防接種はたくさんありますが、どれを受けるべきか…?ちょっと悩みます。お金も安くはありませんので、よく考えたうえで受けましょう。
行く場所と行動を想像してみる
例えばA型肝炎は全ての国で発症する可能性があること、また感染経路が食材からということで感染する可能性が他に比べて高い。破傷風も同じくすべての国で、傷口から感染すると考えると(例えば転んだり)可能性が高いと考え、予防接種を受けました。
逆にB型肝炎は全ての国ですが、感染経路が感染した人との接触(性行為など)ということで、そういった事が無い限りは感染しないだろうと考えて受けていません。
自分がどのような場所で、どんな行動を取るかを想像すると受けた方が良いものが見えてくるでしょう。
ちなみに私は、黄熱病・狂犬病・A型肝炎・破傷風・日本脳炎を受けました。
幼少期に受けているか確認する
予防接種には有効期間があります。成人を過ぎるとほとんどの場合打たないといけないかもしれませんが、幼少期に予防接種を受けていて有効期間が来ていない可能性もあります。一度、受ける前に両親などに確認してみると良いでしょう。
予防接種を受ける時期
予防接種を受ける時期は、最低でも出発の1~2か月前からスケジュール管理しておくと良いでしょう。
その理由は、予防接種の種類によっては日を開けて数回打たなければならないものもあるからです。例えば狂犬病は1回目を打ち、その7日後に2回目、28日後に3回目を打つ必要があります。なので日本で全て受けようとしたときに、1~2週間前から始めたのでは遅いのです。
予防接種の費用
予防接種の費用は受ける場所によって多少違いがありますが、以下を目安になると思います。
- 黄熱:11,000円
- A型肝炎:約8,000円
- B型肝炎:約7,000円
- 破傷風:約2,000円
- 狂犬病:約15,000円
- ポリオ:約10,000円
- 日本脳炎:約6,000円
- 麻しん:約6,000円
決して安い金額ではありません。どれを受けるべきかは熟考して、取捨選択してみてください。
予防接種を受けれる場所
基本的に海外渡航のための予防接種は日本で受けることになると思います。近くの病院で受けることが出来るので、ネットや電話などで確認してみましょう。ただし扱っていないものもあるので、複数の病院に行かなければならない可能性もあります。
厚生労働省HPに予防接種実施機関のデータベースがあるので、こちらも参照してみてください。
黄熱病予防接種は検疫所で
予防接種の中で一つ特殊なのが「黄熱病」です。これについては、予防接種を受けて発行される証明書(イエローカード)を所持していないと「入国できない国(主に南米やアフリカ)」がありますので注意しておきましょう。
また予防接種を受けることができる機関も限られていて、検疫所や一部病院でしか受けることができません。全都道府県にあるわけではないので少し面倒です。
上記に関しては厚生労働省検疫所HPに詳しく記載されています。
しかしながら黄熱病の予防接種は、以前は10年間有効だったのですが、最近1度打つと生涯有効とされるようになりました。
黄熱の予防接種証明書(イエローカード)の有効期間について、2016年7月11日以降は、これまでの「接種10日後から10年間」から、「接種10日後から生涯有効」へと変更されました。
現在、既にお持ちの有効期間が経過した予防接種証明書も生涯有効なものとして取り扱われます。また、更新手続は不要です。取得した予防接種証明書は紛失しないように、生涯大切に保管してください。
海外で受けることも可能
予防接種は海外でも受けることができます。一番のメリットは費用です。
日本より物価の安い国(例えばタイなど)で予防接種を受けると病院によって違いはありましすが、約半分ほどの費用で受けることができることもあります。もちろん効力などは日本で受ける場合と変わりません。
ただし、言葉の壁をもあったりしますので、心配な方は日系の病院で受けるなどを検討した方が良いでしょう。
1ヵ国に長く滞在する場合は、この方法を取っても良いと思います。
予防接種をしても油断は禁物
万が一海外で病気にかかった場合、予防接種を受けていても必ずしも安心とは言えません。症状などから疑いがある場合は必ず病院へ行きましょう。特に狂犬病のは予防接種していたとしても、72時間以内に処置をしなければなりません。病気の特徴を知り、油断をしないようにしましょう。
最後に
以上、海外旅行の予防接種についてお伝えしました。自分は大丈夫と過信せずに、リスクを減らして楽しい海外旅行にしましょう!
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